グーグルに学ぶディープラーニング
少し前に読了した「グーグルに学ぶディープラーニング」。
分量はさほど多くなくさらっと読んでしまった本なので、あまり頭に残っていないのではと危惧し、振り返ってみることにした。
- 作者: 日経ビッグデータ
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/01/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ディープラーニングの定義
前回の記事でも少し触れたが、ディープラーニングは機械学習の一部である。では、機械学習はどんなものかというと、本書に書かれている定義によると、
「機械が答えを出すための手法を、機械が自動的に膨大なデータから学習してモデルを作る」ということ。ここでいうモデルとして、決定木や機能推論、ニューラルネットワークに加え、ディープラーニングが代表的な手法として挙げられている。機械学習の仕組みは、本書の例えにある通り子どもが知識を獲得していく過程を想像するとイメージがつかみやすい。
これに対してディープラーニング(深層学習)は、「複数の層の処理を重ねて複雑な判断をできるようにする技術」とあり、計算の量が膨大となるのが特徴であると書かれている。
なお、本書は「ディープラーニングが機械学習の一部である」ことを強調しているために触れられていないようだが、私の理解では従来の機械学習とディープラーニングとの大きな違いの一つとして、前者では特徴量の抽出・設計作業を人間がおこなっているのに対して、後者では特徴を自動的に抽出して学習する、というものがある。
特徴量の抽出とは、例えば何かの動物を認識する場合、入力されたデータから身長、体重、顔の形、毛の長さといった特徴を数値化する作業のことを指す。これは職人芸と揶揄されることもある領域であり、機械学習の精度は特徴量抽出の良し悪しに左右されることも多い。ディープラーニングではこうした特徴量抽出の手間が省けるため、画期的な技術と見なされているように思われる。
ディープラーニング活用事例
最初に出てくる例が「Google Home」という音声認識、自然言語処理機能を活用した端末であり、日々の情報収集やエンターテイメントの利用、家電類のコントロールを可能にするもの。この分野ではAmazonの音声認識サービス「Alexa」を搭載したEchoという競合が存在するので、今後両者、はたまた第三者がどのように発展していくのか、興味深いところである。
次に紹介されているのは自動運転技術であり、この分野に関しては日本の自動車メーカーも大いに関係してくるということで、ニュース記事を目にすることも多い。
その次のデータセンターでの省エネ化事例も興味深く、設備運転の最適化にディープラーニングが活用されており、電力使用量の15%を削減可能にしたとのこと。