七月二十五日のこと(アイスランド)
ここからが北欧旅行記。朝9時にアイスランドのケプラビーク国際空港に到着。ニューヨークからは5時間半程度のフライト。機内で映画を楽しむ時間もないくらい。こんなにすぐアイスランドに行けるんやなと少し感動した。空港は噂に聞いたとおり小さめながらも近代的なつくり。シースルーの天井で光の入り具合もいい感じ。
14時半くらいに迎えのバスが来てレイキャビク市内へ移動。40分くらいの移動だったが、道中、目の前に広がっていたのはゴツゴツした溶岩と曇りがかった空で、じっと目を凝らしているとだんだん不安になってくる、そんな光景だった。
それでもレイキャビク市内は結構都会で、今回滞在した宿のあるLaugavegur通りにはブティックや飲食店が多数固まっていて、たくさんの人で賑わっていた。ストリートアートも盛んらしく、街の至るところでグラフィティを目にしたのも興味深かった。カラフルな建築物も多く見られ、結構アーティスティックな街だという印象を受けた。
街をぶらつきながら、前々から行ってみたかった12 TonarというCDショップへ。なんでもコーヒーを飲みながら店内に置いてあるCDを自由に視聴できることでも有名。早速手当たり次第にかき集めたCDを手に店長に声をかけてから試聴機へ。思えばここ数年、こうして店で新しい音楽をDigることをほとんどしていなかったことにハッと気づいた。最近の音楽の聴き方といえば、そのときの気分に合わせて何も考えずにSpotifyやYouTubeでオススメのプレイリストを垂れ流すというもので、新たに見つけたアーティストに感動して、じっくり一つの作品を聴きこむ経験が明らかに減ってきている。確かに音楽のジャンルも飽和してきてるし、なかなかビックリするような目新しい出会いには恵まれないかもしれないが、自分の知らなかったアイスランドの良質なアーティストを知ることができたし、この店で聴いたこと、見たこと、考えたことを通じて、忘れかけていたものを少しだけ取り戻せた気がする。
その他、有名なハットルグリムス教会やハルパ・レイキャヴィク・コンサートホールなどを巡り、夕食にはビストロで魚料理を堪能した。